無辺世界

日記のようなもの

全部嘘の話

ヘッドフォンを外すと雨が窓を叩く音が聞こえて、なんだかそれが心地よくて、大好きな曲なんかよりも心地よくてただただそれを聞いていた

あれからどれくらいの時が経っただろう
夜はどこまでも深い

だけど僕はここにいれば安心だ
なにも変わることはない

暗い部屋の中で見るのはくだらない夢ばかりで
なんにもない天井を見上げて感傷に浸るだけ
全ては終わりがくる
永遠なんてものはない
本当の愛なんてものはない

優しくされていたいだけ
優しくしていたいだけ

あれからどれくらいの時が経っただろう

雨の音だけが頭に響いて離れない
なにも変わらないのは、ここにいる理由を探しているから
嘘の自分を見つけて本当の自分は見えない
僕は僕じゃない誰になればいいんだろう
いや僕は僕のままでいていいんだきっと
ただ恐いだけなんだ
人の気持ちが
変わってしまうこと
君の気持ちは
どうか変わらないでいて

だけど僕はここから動けない
僕が僕ではなくなるから
無駄なことなんか一つもなかった
全部僕のために必要なものだった

あれからどれくらいの時が経っただろう

朝を迎えても君に会えないならなにもかも終わりだ
すれ違う人々はなにが楽しくて笑っているのだろう
雑居ビルに包まれたぬるい悲しみに逆らって1人歩く

あれから一体なにが変わったんだろう

僕の未来には笑顔の君が離れない
ここにいてはいけないことはわかっていた
ここにいてはなにも始まらないのはずっと前からわかっていた
けれど僕はここを動けない
そんなこと考えてるのもくだらなくなって
本当に一体僕はなにがしたいんだろう

闇、真っ暗
僕の世界は動き出す
闇、真っ暗
僕の世界は動き出す
闇、真っ暗
僕の世界は動き出す