無辺世界

日記のようなもの

息継ぎ


零れ落ちたピアノの音
一つ一つ拾い上げたその指

何度も何度も結んだって
何度も何度も切ってしまう

全部なにかの間違いだったらいいのに
朝になったらなにもかもわすれていたらいいのに

君にとってどうでもいいことは、僕にとってはそうじゃないことがほとんどだ
優しいふりをしたのは、優しくされたかっただけだからかもしれない
君の悩みが全部僕のせいならいいのに

僕はただ同じような日々をこなしているだけ
それでもいろんな感情は湧いてくる
言葉、現実、僕らは目に見えないものと戦って

なにが悪いのかわからなくなる
なにが正しいのかわからなくなる

君が壊していったぼくの心は今も治らないままこのまちに住み着いている

様々な問題は結局全部自分自身で解決していかなければならない
時間はなにも解決してくれない

それでも生活はいつも通り続いていく

ふと空を見上げれば綺麗な満月が僕を照らしていることに気がつく

あの日の僕は
閉じたままの心で人の優しさをまっていた

君はいつだって
なにかとても重そうな荷物を抱えているようで
僕はそれを見てどうすることもできずにいた
その荷物を置いた君の表情を
いつか見ることができるだろうか
ありのままでいることに目をそらさずにいられるだろうか
君は君のままでいるだろうか